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以前企画に提出していた作品をUPします。
でもってとんでもないことが発覚。
なんと御題をど忘れしてます。
さっぱり思い出せない(泣)
慌ててひねり出しました・・・・
どこにも記録取ってないなんて私のバカばか!
では、つづきからどうぞ~
でもってとんでもないことが発覚。
なんと御題をど忘れしてます。
さっぱり思い出せない(泣)
慌ててひねり出しました・・・・
どこにも記録取ってないなんて私のバカばか!
では、つづきからどうぞ~
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女の身で江戸から京都へ。
着いた早々斬り合いの場に遭遇して。
助かったと思ったら拉致監禁。
そんな目にあっても気丈にしていた彼女だったけど。
部屋に閉じ込められて、監視付きの日々を過ごす間は気を張っていたんだろう。
少しずつ監視の目も緩み、屯所内、幹部部屋周辺を自由にできるようになったころ、千鶴ちゃんは熱を出した。
可哀そうな子だとしか思ってなかったけど。
僕がどんなに斬るよと脅しても。
鯉口を切っても彼女は僕の目をまっすぐ見つめてきた。
そんな彼女を、面白いなと思ってからかったりもしてた。
なのに今は赤い顔をして目を閉じてる。
つまんないな。
彼女の横に座って何をするでもなく彼女の顔を見つめる。
「う・・・ん・・」
苦しそうに顔をそむけた千鶴ちゃんの額の上に乗っていた手ぬぐいがぽとりと枕の横に落ちた。
それを拾い上げてみると温かくて。
「意味ないじゃない、こんな暖かい手ぬぐい」
冷やそうとして枕元の桶に手をいれると、水も温い。
変えてこようと手に取り、立ち上がった時に背後の障子が音もたてず開いた。
「一君」
部屋に入ってきた人物は手に桶を持っていて、なぜかムッとする自分に気づかない振りをして。
「ご苦労さんだね、忙しいのに」
「・・・これも隊務だ。障りはない」
無表情に返答されるとますます面白くない。
「じゃぁ僕があとは引き受けるよ。一君は土方さんの用事、片付けてくれば?」
「総司・・・ここで何をしている。雪村は体調を崩しているのだ。いつものようにちょっかいを出すのはやめた方がよい」
その言葉にカチンとくるけど、あくまで表情には出さない。
「いくら僕でも熱をだして寝込んでいる子にそんなことしないよ。ひどいなぁ、一君」
にっこり笑って手ぬぐいをそのまま水につける。
しっかりと冷やして緩めにしぼり、彼女の額に置いた。
「・・・お、きたさ・・?」
うっすらと目を開けた千鶴ちゃんの潤んだ瞳に映るのは僕だけ。
「君もやっかいだね、熱なんか出して」
「も、申し訳・・ありま・・」
苦しそうに息を吐く彼女の口からは謝罪で。
「総司」
一君が咎めるように名を呼ぶけど、聞こえないふりをして。
「早く治してよね。君と遊べないと僕、つまんないんだよね」
先ほど乗せたばかりの手ぬぐいを取り、面をひっくり返してまた額に乗せる。
わずかの時間でもう温かくなってて。これはちょっと熱が高いな。
「は・・い・・・すいま・・せ・・」
最後まで言い終えないうちに千鶴ちゃんは瞼を閉じて寝てしまった。
「一君、あとはよろしくね」
さて、屯所には役に立たない石田散薬しかないし。
一君が彼女に飲ませる前に手に入れなくちゃ。
熱さましに効く薬を求めに僕は屯所を出た。
深夜、巡察を終えて千鶴ちゃんの部屋に向かう。
苦しそうな息使い、やっぱり熱は下がっていないらしい。
昼間と同じように手ぬぐいを変えて様子を見るけど、かなりしんどそうだ。
真っ赤な顔をして息を荒くして寝ている彼女を起こさないよう上体をおこし、そっと口元に昼間買っておいた薬を流し込んだ。
「ん・・・っ・・」
こくり、と彼女の喉が上下したのを確認して、口の端に流れた薬をぬぐう。
ぬぐった指についた薬をなめとってみる。
「・・苦いね」
「・・・・おせわ・・かけて・・すいません・・」
「・・・起きてたの?」
「はい・・・くる、しくて」
眠れないんです・・と小さな声で呟いた。
彼女を見下ろせば、目は潤み涙ぐんでいるように見える。
辛いと泣きたくなる典型的な症状だ。
ぽんぽんと背中をさすると強張っていた背中の力が抜けたように感じた。
「とう、さまも、こうやって・・かんびょうしてくれました・・」
「そう?」
「は・・い」
こくりと頷き、笑おうとする彼女。
「辛いんだから、しゃべらなくていいよ」
「はい・・」
「さ、横になって寝なよ。今日は僕が傍についててあげるから」
掛け布団をかけて、絞りなおした手ぬぐいを額に置くと、彼女は慌てて首を振った。
「おきたさ、忙しいのですか、ら。私はだいじょうぶ、です。お部屋にもどって・・」
呼吸を荒げながら自分のことを二の次にする千鶴ちゃんはとってもらしいけど。
「元気になったら甘いお饅頭作ってほしいんだよね。だからこれは貸しだから」
「かし・・・」
「そ、もう寝なさい。これ以上言うこと聞かなかったら、斬っちゃうよ」
「・・・ありが、とうござい・・ます」
「はいはい」
本当に辛いのだろう、彼女はそのまま目を閉じてしまった。
ほんと、らしくない。
僕がこんなことするなんてね。
ほんと、彼女は面白い。
それから3日後、元気になった彼女からたくさんの桜もちが僕の部屋に届けられた。
H23.4.6執筆
あとがき
初期のころの沖田さんは自覚しつつも飄々としているイメージです。
好きというより可愛い感じ。千鶴ちゃんのことは妹のように可愛がっている時期かな。
彼は好き嫌いがはっきりしているので、嫌いな人間には一切かかわらないタイプだと思います。
そういう意味では土方さんのことも結構気に入っているんですよ(笑)
自分が何をしても大丈夫だという彼なりの甘え方なんじゃないかと。
土方さんも千鶴ちゃんもある意味災難(笑)
企画に寄せて
はじめまして。
別ジャンルでイソイソ創作活動しています、蒼です。
薄桜鬼大好きです。乙女ゲームに縁のなかった私がどっぷりハマりました。
どのCPも大好きです、千鶴ちゃんも大好き。
この作品が薄桜鬼初作品なのです、それを提出する図々しさには目をつぶって頂ければ嬉しいです。
これからも少しずつ書いていこうと思っています。
ややゲーム設定から外れていますが、二次ということでご容赦ください。
最後に、素敵な企画をありがとうございます、雷葵さん!
女の身で江戸から京都へ。
着いた早々斬り合いの場に遭遇して。
助かったと思ったら拉致監禁。
そんな目にあっても気丈にしていた彼女だったけど。
部屋に閉じ込められて、監視付きの日々を過ごす間は気を張っていたんだろう。
少しずつ監視の目も緩み、屯所内、幹部部屋周辺を自由にできるようになったころ、千鶴ちゃんは熱を出した。
可哀そうな子だとしか思ってなかったけど。
僕がどんなに斬るよと脅しても。
鯉口を切っても彼女は僕の目をまっすぐ見つめてきた。
そんな彼女を、面白いなと思ってからかったりもしてた。
なのに今は赤い顔をして目を閉じてる。
つまんないな。
彼女の横に座って何をするでもなく彼女の顔を見つめる。
「う・・・ん・・」
苦しそうに顔をそむけた千鶴ちゃんの額の上に乗っていた手ぬぐいがぽとりと枕の横に落ちた。
それを拾い上げてみると温かくて。
「意味ないじゃない、こんな暖かい手ぬぐい」
冷やそうとして枕元の桶に手をいれると、水も温い。
変えてこようと手に取り、立ち上がった時に背後の障子が音もたてず開いた。
「一君」
部屋に入ってきた人物は手に桶を持っていて、なぜかムッとする自分に気づかない振りをして。
「ご苦労さんだね、忙しいのに」
「・・・これも隊務だ。障りはない」
無表情に返答されるとますます面白くない。
「じゃぁ僕があとは引き受けるよ。一君は土方さんの用事、片付けてくれば?」
「総司・・・ここで何をしている。雪村は体調を崩しているのだ。いつものようにちょっかいを出すのはやめた方がよい」
その言葉にカチンとくるけど、あくまで表情には出さない。
「いくら僕でも熱をだして寝込んでいる子にそんなことしないよ。ひどいなぁ、一君」
にっこり笑って手ぬぐいをそのまま水につける。
しっかりと冷やして緩めにしぼり、彼女の額に置いた。
「・・・お、きたさ・・?」
うっすらと目を開けた千鶴ちゃんの潤んだ瞳に映るのは僕だけ。
「君もやっかいだね、熱なんか出して」
「も、申し訳・・ありま・・」
苦しそうに息を吐く彼女の口からは謝罪で。
「総司」
一君が咎めるように名を呼ぶけど、聞こえないふりをして。
「早く治してよね。君と遊べないと僕、つまんないんだよね」
先ほど乗せたばかりの手ぬぐいを取り、面をひっくり返してまた額に乗せる。
わずかの時間でもう温かくなってて。これはちょっと熱が高いな。
「は・・い・・・すいま・・せ・・」
最後まで言い終えないうちに千鶴ちゃんは瞼を閉じて寝てしまった。
「一君、あとはよろしくね」
さて、屯所には役に立たない石田散薬しかないし。
一君が彼女に飲ませる前に手に入れなくちゃ。
熱さましに効く薬を求めに僕は屯所を出た。
深夜、巡察を終えて千鶴ちゃんの部屋に向かう。
苦しそうな息使い、やっぱり熱は下がっていないらしい。
昼間と同じように手ぬぐいを変えて様子を見るけど、かなりしんどそうだ。
真っ赤な顔をして息を荒くして寝ている彼女を起こさないよう上体をおこし、そっと口元に昼間買っておいた薬を流し込んだ。
「ん・・・っ・・」
こくり、と彼女の喉が上下したのを確認して、口の端に流れた薬をぬぐう。
ぬぐった指についた薬をなめとってみる。
「・・苦いね」
「・・・・おせわ・・かけて・・すいません・・」
「・・・起きてたの?」
「はい・・・くる、しくて」
眠れないんです・・と小さな声で呟いた。
彼女を見下ろせば、目は潤み涙ぐんでいるように見える。
辛いと泣きたくなる典型的な症状だ。
ぽんぽんと背中をさすると強張っていた背中の力が抜けたように感じた。
「とう、さまも、こうやって・・かんびょうしてくれました・・」
「そう?」
「は・・い」
こくりと頷き、笑おうとする彼女。
「辛いんだから、しゃべらなくていいよ」
「はい・・」
「さ、横になって寝なよ。今日は僕が傍についててあげるから」
掛け布団をかけて、絞りなおした手ぬぐいを額に置くと、彼女は慌てて首を振った。
「おきたさ、忙しいのですか、ら。私はだいじょうぶ、です。お部屋にもどって・・」
呼吸を荒げながら自分のことを二の次にする千鶴ちゃんはとってもらしいけど。
「元気になったら甘いお饅頭作ってほしいんだよね。だからこれは貸しだから」
「かし・・・」
「そ、もう寝なさい。これ以上言うこと聞かなかったら、斬っちゃうよ」
「・・・ありが、とうござい・・ます」
「はいはい」
本当に辛いのだろう、彼女はそのまま目を閉じてしまった。
ほんと、らしくない。
僕がこんなことするなんてね。
ほんと、彼女は面白い。
それから3日後、元気になった彼女からたくさんの桜もちが僕の部屋に届けられた。
H23.4.6執筆
あとがき
初期のころの沖田さんは自覚しつつも飄々としているイメージです。
好きというより可愛い感じ。千鶴ちゃんのことは妹のように可愛がっている時期かな。
彼は好き嫌いがはっきりしているので、嫌いな人間には一切かかわらないタイプだと思います。
そういう意味では土方さんのことも結構気に入っているんですよ(笑)
自分が何をしても大丈夫だという彼なりの甘え方なんじゃないかと。
土方さんも千鶴ちゃんもある意味災難(笑)
企画に寄せて
はじめまして。
別ジャンルでイソイソ創作活動しています、蒼です。
薄桜鬼大好きです。乙女ゲームに縁のなかった私がどっぷりハマりました。
どのCPも大好きです、千鶴ちゃんも大好き。
この作品が薄桜鬼初作品なのです、それを提出する図々しさには目をつぶって頂ければ嬉しいです。
これからも少しずつ書いていこうと思っています。
ややゲーム設定から外れていますが、二次ということでご容赦ください。
最後に、素敵な企画をありがとうございます、雷葵さん!
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プロフィール
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蒼
性別:
女性
趣味:
読書
自己紹介:
読書大好き。生まれて初めて乙女ゲームに手を出し薄桜鬼にハマりました。
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